アイビスペイントの「塗りつぶし」は、アプリの中で最も高機能なツールの一つです。高機能なために設定の仕方が分かりにくく、設定が間違っているとうまく塗りつぶすことができません。思った通りに塗りつぶしができない場合は、取り消し (1手戻る) ボタンを押して何度か塗り直してみて下さい。なおここでは「塗りつぶし設定」の説明をしますが、「自動選択設定」も設定方法はほぼ同じですので、「自動選択設定」の設定方法が知りたい場合は「塗りつぶし」を「自動選択」に読み替えて読んで下さい。
塗りつぶしは、スタート地点 (指でタップした場所) の色と似た色が続く範囲を塗る機能です。一番よく使われるのは線画の下塗りです。
線画が隙間なく閉じている状態であれば線の内側だけを塗りつぶすことができますが、線が閉じていない場合は、線の外側に色があふれ出てしまいます。意図せず色があふれ出てしまったら、慌てずに取り消し (1手戻る) ボタンを押して塗り直しましょう。
次に「塗りつぶし設定ウィンドウ」について説明します。①[ ツール選択ウィンドウ ]を表示して②[ 塗りつぶし ]を選択後、オプションバーの③[ 設定ボタン ]を押して「塗りつぶし設定ウィンドウ」を開きます。
①[リセット] ... 塗りつぶしは設定が難しいため、慣れていない人でもそれなりにうまく動作するように初期値が設定されています。各種パラメータを変更したあとで初期値に戻したい場合は「リセット」を押します。
②[ 強さ ] ... スタート地点の色と似た色をどれくらいの範囲まで塗りつぶすかを調整します。
③[ 塗り残し認識 ] ... 「拡張」では塗りつぶしの調整が難しい太さが均一ではない線の内側をきれいに塗りつぶすことができます。
④[ 拡張 ] ... 「強さ」で設定した塗りつぶしの範囲をさらに広げたり狭めたりすることができます。初期値は1.5pxです。
⑤[ すき間認識 ] ... 線端が閉じられていない線と線のすき間を自動的に認識して、線の内側だけをはみ出さずに塗りつぶすことができます。
⑥[ スワイプで連続塗り ] ... キャンバスを指でスワイプしてなぞることで、線で区切られた異なる場所を連続で塗りつぶすことができます。
⑦[ 線の下にもぐる ] ... 線の下まで色が塗られるようになります。
⑧[ 境界 ] ...「スタート地点の色とどれぐらい似ている色の範囲を塗りつぶすか?(色差)」をカラー(R, G, B, A)を使って判定するか、不透明度だけを使って判定するかを選択します。後述する「参照レイヤー」を白のキャンバスにした場合は背景色が全面不透明なので、「境界」で不透明度を選択してしまうと全面が塗りつぶされてしまいます。「参照レイヤー」が指定レイヤーや作業レイヤーの場合は、「境界」を不透明度にする方が良い場合もあります。
⑨[ 参照レイヤー ] ... 作業レイヤー、指定レイヤー、キャンバスから選択できます。初期値はキャンバスです。ここでいう参照とは、スタート地点の色と塗る範囲を決めるときの判定の色の差が近いか?という処理で範囲を決めるときの色をどこから読み取ってくるかという選択です。キャンバスを選択すると、全レイヤーを結合した絵(みたまま)を参照して範囲を決めます。指定レイヤーを選択し、その下のレイヤー選択でレイヤーを指定すると、そのレイヤーを参照して塗る範囲を決めます。作業レイヤーを選択すると、現在のレイヤーを参照して塗る範囲を決めます。指定レイヤーを使うことで、レイヤー2に線画を置いて、作業レイヤーをレイヤー1にして塗りつぶしをするといった、線画と塗りを別のレイヤーにすることもできます。
上の図は「強さ」の値をそれぞれ変えて塗りつぶした場合の比較です。「強さ」は、スタート地点の色と似た色をどれくらいの範囲まで塗りつぶすかを設定します (色差が一定以下までを塗る範囲とする)。エアブラシで描いた線のようにグラデーションがある場合は値を0%にすると、スタート地点の色から少しでも違う色があったらそこで塗りが止まってしまうため、塗りつぶされる範囲が狭くなります。値を5%にすると、0%のときよりも少し広い範囲が塗りつぶされます。10%にするとさらに塗りつぶしの範囲は広くなります。しかし、値をあまり大きくし過ぎると外に色があふれ出てしまいます。
上の図はGペン (ソフト) で線画を描いて、「拡張」を0pxと1.5pxに設定して塗りつぶした場合の比較です。線画はフチにアンチエイリアシング (半透明) があるため、0pxでは白い部分が残ってしまいますが、1.5pxにすると塗り残しを減らすことができます。
マンガの吹き出しの内側を塗りつぶすときは、「拡張」をマイナス値に設定すると良いでしょう。
線端が閉じられていない場所を塗りつぶしたいときは、「すき間認識」をオンにしましょう。上の図は「すき間認識」をオフにして塗りつぶした場合 (左図) と、オンにして塗りつぶした場合 (右図) の比較です。「すき間認識」は自動的に線のすき間を認識してくれるため、線にすき間がある場合でも線の内側だけをはみ出さずに塗りつぶすことができます。
上の図は「塗り残し認識」をオフにして塗りつぶした場合 (左図) と、オンにして塗りつぶした場合 (右図) の比較です。太さが均一でない線の内側を塗りつぶすには「拡張」での調整が難しく、線の外側に色がはみ出してしまいますが、「塗り残し認識」をオンにすることではみ出さずに線の内側だけをきれいに塗りつぶすことができます。
線で区切られた異なる場所を同じ色で連続して塗りつぶしたいときは、「スワイプで連続塗り」をオンにしましょう。キャンバスをスワイプしてなぞると、異なる場所を連続で塗りつぶすことができるので便利です。
「囲って塗る」は、選択した範囲内の閉じた線がある部分を、指定した色で塗りつぶすことができます。同じように「囲って消す」は、選択した範囲内の閉じた線がある部分の塗りを削除することができます。
①[ 囲って塗る ]を選択して②[ 塗りつぶしたい部分 ]を指でドラッグして囲みます。指で囲んだ範囲内で、線が閉じている部分が指定した色で塗りつぶされます。
塗りを削除する場合は③[ 囲って消す ]を選択して④[ 削除したい塗りの部分 ]を指でドラッグして囲みます。指で囲んだ範囲内で、線が閉じている部分の塗りが削除されます。
「囲って塗る・囲って消す」の詳細については塗りつぶしツール:囲って塗る・囲って消すをご覧下さい。